BEACH LINE BICYCLEの森下です。
子供のころ思い描いた未来。車は空を飛び、ロボットが人間のお友達・家族の様に接してくれる。宇宙旅行やバーチャルリアリティーにあふれた街。
令和となった現代、いくつかの未来は実現していたり、実現しようとしています。
2025/6/5 この日あるコンポーネントが自転車の未来となる技術を実現しました。
シマノCUES(キューズ)に対応した新型コンポーネント。「Q’AUTO(クォート)」。
この技術がいかなるモノなのか。確認できている限りの情報をブログに記載いたします。
「Q’AUTO(クォート)」これはいったいなんなんですか?
「Q’AUTO(クォート)」とは、リアハブダイナモ(自家発電モーター)搭載のフリーハブになります。
一体何をいっているんですか?と思いますよね。自転車で電力を発電してどうするんだと。
電力を発電する「ハブダイナモ」と呼ばれるアイテムは昔から存在していました。よく見るハブダイナモと言えば、オートライト付きママチャリのフロントホイールについていますね。あれは発電した電力をライトを点灯させる為に使っています。
「Q’AUTO(クォート)」とは、ダイナモが後輪フリーハブについていて、発電した電力を電動コンポーネントの動力に利用しているのです。
バッテリー充電が事実上不要の電動コンポーネント誕生
「Q’AUTO(クォート)」は、走行中に発電した電力をエレクトリックケーブルを介して電動コンポーネント(di2)に給電することが出来ます。
「Q’AUTO(クォート)」に対応する電動コンポーネント「RD-U8050-SGS/GS:ワイヤレスDI2リアディレイラー」
通常はフレーム内部に装着したバッテリーにエレクトリックケーブルを接続して使用するのですが、バッテリーである以上稼働時間が存在します。なんと「Q’AUTO(クォート)」は、ペダルを回すたびに自らが発電するため、バッテリーがなくても可動するシステムを実現しています。
機能はそれだけにとどまらず、「AUTO SHIFT」というテクノロジーを搭載しています。
その名の通り「走行中に自動でコンポーネントが変速するシステムです」これはいったいどういう仕組みなんだ!?
AUTO SHIFTという近未来テクノロジー
電動アシストユニット/バッテリーの電力を必要せず、自動で変速するQ’AUTO(クォート)
自動変速を実現するためにフリーハブ内に速度、回転数(ケイデンス)、傾斜を計測するセンサーを搭載。
6,500以上のアルゴリズムパターンと、走行状況のデータから最適なギアを自動で選択して変速するそうです。
「AUTO SHIFT」を担うワイヤレスシフトレバー
さらにワイヤレスdiディレイラーとシフトスイッチもシステムの一端を担っており、ライダーの手動変速と同時にその変速パターンをQ’AUTOは記録・学習します。
学習が終えると時間が経つにつれ、ライダーの好みに合わせた変速を行うようになるそうな。
なんだか自転車が自分の事を知ろうとしてくれてるようですね。Q’AUTOと一緒にライダーも成長していく未来が見えるぞ。
Q’AUTO (FH-U6060:オート変速 ダイナモ内蔵フリーハブ)の仕様
Q’AUTOはハブ単品の為、導入するにはホイールの「手組み」が必須です。
肝心のホール数(スポークを通す穴の数)は、28H・32H・36Hの3種類。
アルミリムで幅広いジャンルでQ’AUTOを手組みするのであれば32Hがおススメかもですね。MTBやe-bikeでの使用で強度の高いリムを使用するのであれば、32Hがリムの選択肢も多くて組みやすいです。
カーボンリムを使用する場合は32Hのカーボンリムなどほとんど市場に出回っていないので28Hがおススメです。
28H はロード、グラベル用途でのリムでラインナップがあります。軽量、かつ2クロス・3クロスで手組みできるので軽量に仕上げることも、剛性の高いホイールを組むことも可能です。
36Hは・・・シティーサイクル位でしか見たことがないホール数のリムの為、いまいち用途がわかりません。
その他、導入にはいくつか条件があります。
まず使えるスプロケはLINKGLIDEの1×10もしくは1×11で、142x12mmのE-Thruに対応する為、フレームが対応していなければ取り付けが出来ません。
使用できるリアディレイラーも RD-U8050-SGS/GS:ワイヤレスDI2リアディレイラーのみとなります。
※di2ですので他の電動リアディレイラーも充電しながら使用したいものですが、Q’AUTO が認識するリアディレイラーは RD-U8050-SGS/GSのみとのことです。
SGSは11速の11-50T、11-45Tに対応し、GSは10速の11-43Tに対応できます。(2×10速には対応しません。)
しかし、オートシフト機能を使用しないのであれば、現行の電動STIレバー(GRXも含めた無線モデル)でもRD-U8050-SGS/GSは動作出来ます。
Q’AUTOとU8050-SGS/GS、あとは対応するCUESのスプロケとクランクセットさえあれば、ドロップハンドルでもバッテリー切れを起こさない電動コンポーネントが体感できる訳です!!
オートシフトに他応したSW-EN605-R:ワイヤレスシフトスイッチがあれば、自ら学習する賢いバイクを手に入れることも。
こいつは欲しくなってきたぞ!!
Q’AUTO導入費用をまとめてみた
Q’AUTOを導入するためにはいくら価格のか気になりますよね?気になるんですよ。
コンポーネントの金額はこちらです。
Q’AUTO (FH-U6060:オート変速 ダイナモ内蔵フリーハブ) ¥39,482円(税込)
RD-U8050-SGS ¥33,625円(税込) GS¥29,124円(税込)
SW-EN605-R(ワイヤレスシフトスイッチ:オートシフト対応) ¥15,506円(税込)
SGS対応スプロケット:11速11-50T/11-45T ¥¥16,402(税込)
GS対応スプロケット:10速11-43T ¥¥8,468
リンクグライドチェーン(CUES推奨耐久チェーン) ¥3,567(税込)
CUESはクランクセットが9速から11速まで対応できますので、使用するフレームによってはクランクセットのグレードが幅広くなりますが、おおよそ¥9,000から¥25,000円のラインナップであります。
9速から11速まで同じ11速チェーンを使用するので、グレードを調整すればコストパフォーマンスも向上します。
使用するクランクセットによってBBの規格もかわれば価格帯も変化していきますが、¥2,000から¥5,000円でラインナップがあります。
STレバーでQ’AUTOを動作する場合は、105からデュラエース、GRXまでレバーは存在するのでここも価格帯がわかれますね。
フラットバーで費用を抑えたと仮定して、リムはとりあえず今使っている物をQ’AUTOで組みなおすとしましょう。
すると概算見積が11速の場合は、14万円ほどとなります。(作業工賃は除く)
自動変速・バッテリー切れしない電動コンポーネント。未来の自転車を作れる時代となりました。
あなたの自転車のアップグレードに「Q’AUTO」を導入してみてはいかがでしょうか。
アップグレードの予算など、是非ご相談下さい。未来の自転車をBEACH LINE BICYCLEは作ります。