2026 パリルーベ、皆さんご覧になられましたでしょうか。まさに歴史的なレースとなりました。
完走率も歴代最高の80%
平均速度は48.91km/h。歴代最高速度で超人的なクラシックレースになりました。バイクの進化により完走できるライダーも増えて安全面も改善されている印象でしたが、速すぎるぞ現代バイク!!
そんなパリルーベを制したのは、
「ヴィスマ・リースアバイク」所属のワウト選手でした。
彼の乗っていたバイク。それは「cervelo(サーヴェロ)S5」
近代バイクでも最速と呼ばれる域に君臨するバイクです。

エアロバイクなのにパリルーベを制するなんて、やっぱりS5はとんでもないバイクでした。
メカニック森下もcerveloは2台所有していたこともあって、その性能の高さは身をもって体験しています。S5はcerveloの中ではハイエンドモデルとなります。もはやcerveloでエントリーモデルなんてあるのかって話ですが、S5は別格になります。
「乗ってみたいけど、S5って完成車で200万越えだったよな・・・」
価格も別格なわけですが、パリルーベを制したS5に乗ってみたい。
そうだ!バラ完でパリルーベ仕様のS5を作ってみよう!!

思い切ったら即行動。店頭にあるS5フレームセットでコスパよくバラ完見積を作ってみよう。今回はそんなブログです。
パリルーベを制したS5の特徴
パリルーベを制したS5。その特徴としてはフロントにギアが搭載されていない「フロントシングル」であること。

フロントシングル仕様のバイクは今回のパリルーベでは多くのチームが採用していました。非推奨ですが、シマノコンポーネントを使用するチームは、シマノにフロントシングル(以下1x)仕様のロードコンポがまだないため、リアディレイラーはMTBコンポのXTRやグラベルのGRX1xリアディレイラーを使用し、それにロードスプロケットを搭載してレースに挑んでいました。
なぜ非推奨の組み合わせにも関わずフロントシングル化にこだわった理由としては、段差による振動、障害物と接触してチェーンが脱落するのを阻止したかったからです。XTRやGRXはチェーンをしっかりと保持し、ディレイラー自体が衝撃によってはじかれても元の位置に戻る機能が備わっています。また、XTRやGRXはシマノ唯一の完全ワイヤレスコンポですので、Di2最大の弱点である「エレクトリックケーブルの断線」による動作不良も起きません。変速ミスを徹底的に削除した結果、フロントシングル化が大幅に進んだものと思われます。
とっくに完全ワイヤレス化を果たしているスラムやカンパニョーロは、この耐性ももちろん備えつつフロントシングル化を進めています。パリルーベのように斜度もなく平坦基調のコースは、リア変速を多段化するだけでほぼ攻略可能なのでしょう。平均速度はパリルーベ史上最速を記録し、これによって近代バイクのコンポーネントはさらにMTBコンポーネントに近い見た目に進化するのではないかとも予想されています。
僕もフロントシングルを愛用しつづけてますので、今回のS5バラ完見積はフロントシングル仕様のパリルーベを制したS5を見習って作成してみましょう。
Di2最安の組み合わせを知っているか?
1xのS5を組むにあたって、使用するコンポーネントメーカーはシマノを選択しようと思います。シマノ以外を選択すればすぐにでも1xで組めるのですが、それだと完成車の価格と変わらず、さほどお得感もない為やめておきます。
シマノには現在ロードバイクコンポーネントとしては1xは存在しません。かといってシマノ非公認の組み合わせでバラ完してもお店的にアウトなのでリアディレイラーはロードバイクコンポーネントを使用します。
ではどうやって1xにするのか。簡単です。フロントディレイラーを捨てるだけです。じつはこの組み合わせなら最安でDi2を組むことが出来ます。
STIレバー
RX-717(右)
RS-717(左)
リアディレイラー
RD-R7100
スプロケット
R7100 スプロケ 11-36
ブレーキキャリパー
BR-RX820 2ピストン F/R
クランク
FC-RX610-1
ポイントは最近リリースされたGRXグレードのSTIレバー「RX-717/RS-717」

このレバーは1xに最適化されていて左レバー(RS-717)に変速スイッチは存在しません。レバー形状は105Di2に似ており、トップの握り部分が105より若干高くデザインされているのが特徴です。
グラベルコンポーネントですのでロードコンポーネントより若干安い価格なのもうれしい。STIレバーとブレーキ・クランクセット以外を105Di2でまとめることで、S5を格安で組めるようになります。
格安にこだわるわけとは
フレームセットだけで¥999,900(税込)もするS5。9がおおすぎてゲシュタルト崩壊しそうです。
フレームの性能はもはや志向の領域です。正直なにつけてもS5は速いでしょう。しかし走らせられる状態でなければ意味がありません。
今回のバラ完コンセプトは、「1x仕様のS5」パリルーベを制したS5のようなバイクを組んで走らせてることが目的です。
Di2のシステムを一度組み込んでしまえば、あとからカスタムもできるわけです。このバラ完はコスパもそうですが、後のアップグレードにも対応できる仕様で考えました。
隙のない組み合わせでS5に組むパーツを選んでいきましょう。
コスパ以上の性能を引き出すホイール選び
ホイールは「MAVIC コスミックS 42 DISC」を選びました。

お値段、前後セットで¥181,500(税込)
コスミックシリーズはMAVICのカーボンホイールに与えられるモデル名であり、リムは上位グレードと同様のUDカーボン(ユニディレクショナルカーボン)を採用しています。
UDカーボンは薄く、均一方向にカーボンをシート状にレイアップできる特徴があります。軽くて強度も高いリムがコスミックシリーズは共通している為、お値段以上によく回るホイールなんです。
リムハイトも42mmと、高すぎず低くすぎないリムですので、横風にあおられることも少ないでしょう。S5なのでそもそも空力性能はワールドクラスです。コスミックSでも十分する性能を発揮できる事でしょう。
タイヤもついでにMAVICのイクシオンTLRの700×28cを選択してみました。以外にコスパがよく¥11,000(税込)で買えるチューブレスタイヤになります。直線でよくスピードが乗る印象のタイヤでしたし、MAVICのリムとの相性は抜群です。
チェーンリングはしっかりこだわろう!!フロントシングルはギア比が命
フロントシングルではギア比の選択がとても重要です。なんせフロントにギアが無いため、ギア比はリア変速のみで変化させるしかありません。よくある失敗談としては、フロントシングルは軽量化とエアロ効果が高まるのでギア比を多少あげても登れるだろうと思い、重めのギア比を選択してしまったこと。
実は僕はこの失敗をすでに経験しています。cervelo S2を所有していた時、1×11速の組み合わせを試したことがありました。
その時選択したギア構成は・・・
リア 9-32T
フロント 46T
ギア比
トップ 5.1 ロー 1.4
うーん我ながら頭の悪そうな組み合わせですね・・・トップギア比は驚異の5.1!!これはクランクが一回転した際に5.1mも進むギア比になります。(そもそも9-32Tなんて11速スプロケットは特殊スプロケットの為、現代社会ではほぼ入手することは出来ません。参考にしないでください。なんで僕は所有していたのかは店頭でお話しします)
通常このギア比を生み出すなら、シマノですと最小スプロケットサイズは11Tですので、フロントのチェーンリングサイズは57T近くになります。そんなサイズのチェーンリングなんて存在しませんし、このギア比がいかに使い道がないかはブログを書いていてひしひしと感じています。当時の僕はダウンヒルで100km/hでも出したかってんでしょうか・・・
フロントシングル化を果たしたため、S2自体の重量はちょうど7キロほどでまとまっていましたので、ローギア比1.4でもそこそこ登れましたが、このギア比で走ってみての感想としては、ローギアを頻繁に使用して変速動作をほぼしていない感覚でした。平坦メインであってもこんどはトップギア比付近しか踏まないというか・・・ギア比の選択を誤るとこのように変速を楽しめないバイクが出来上がってしまいます。
ギア比を決めよう。どうせならかっこいいチェーンリングを付けよう。
さぁギア比を決めていきましょう。今回使用するのはR7100クラスの「11-36T」。フロントシングルですので、なるべくリアスプロケットはワイドレシオを選択していきます。
使用するクランクはGRXの610グレードの1xクランク。チェーンリングサイズは42Tですので、このまま11-36Tと組んだ場合のギア比は以下になります。
トップギア比 3.8
ローギア比 1.1
このギア比をどう見るかと言うと、仮にフロントが50-34Tのロードクランクだった場合、トップギア比はリアが13T。12速スプロケットの10段目にあるギアがトップギアとなります。
まぁ平坦でも踏めるというか、よく使うギアにはなりますね。
ローギア比1.6は、フロントが34Tの場合32Tが一番近いギア比となりますので、2段目のギアとなります。
これもまたよく使うギア比だし、S5とコスミックSの性能であれば難なく上れるギア比と思います。
フロント42Tのリアスプロケット11-36Tであれば、平坦も坂も難なくこなせるバイクができると予想できました。
しかし!!パリルーベを制したS5の仕様に近づけるのが今回のコンセプト。クランクはいわば自転車の顔とも言っていいパーツです。RX610のクランクでもいいのですが、この見た目ではグラベルバイクではないか・・・
チェーンリングを変更してもっと見た目とギア比を増加させていきます。(おまえS2での失敗からなにも学んでいないな・・・)
今回取り付けるチェーンリングは、「ウルフトゥース AERO DIRECT MOUNT (アエロダイレクトドマウント)チェーンリング」

このチェーンリング、見るからにエアロなデザインでしょ?パリルーベを制したS5にもこのようなエアロ形状のチェーンリングが装着されていました。エアロタイプは46Tから52Tのラインナップがあります。さすがに52Tまで大きくすると平坦しか使い物にならないので、46Tにしてみましょう。ギア比は以下になります。
トップギア比 4.1
ローギア比 1.2
おおよそ50-34Tの組み合わせで想定した場合、さっき算出したギアを1段ずつ重くした場合のギア比になる感じになりました。個人的にはこのトップギア比なら下りも踏める箇所がで出来そうですし、登りはまだ登れるギア比かと思います。10%をこえる斜度である場合はキツイギア比ではありますが、ロードバイクらしいギア比で組めそうです。
完成が見えてきた。ずばり金額を見積もってみよう
ホイールとコンポーネントの仕様もきまりました。ほぼ金額が出される状態になりまいたので、ズバリ今回作成したS5が完成した場合の金額を見積もってみましょう。果たしていくらなのか・・・
ズバリ完成金額は¥1,494,872(税込)となりました。
↑S5のバラ完見積はこちらから
なんとアルテグラ完成車のS5 ¥1,648,900(税込)より¥154,028(税込)も安く組めました。
正直コンポーネントはアルテグラの完成車からすればグレードは低いし、ホイールもリザーブのカーボンディープリムホイールですので、性能面ではどうしても劣るかもしれません。しかし、S5をより手頃に、すこしでも手に入る価格帯へと近づけることはできました。
そしてフロントシングルのバイクがいかに速くて実用的であるかも今回のパリルーベで証明されました。組み上げる選択しとて「フロントシングル」はありかと思います。
ちなみに、このR7100とRX-717/RS-717の組み合わせ、シンクロナイズドの変速に限りこのままクランクを2xにしても動作可能です。フロント変速が任意のギア比でオートマチック変速するシンクロナイズドであればレバーの変更は不要。右レバー1つで2xコンポも操作可能だからです。フロント変速も後々取り付けできる仕様ですので、十分楽しめるバラ完になりました。
(見積書に記載している商品は、すべてBEACH LINE BICYCLで注文可能です)
君だけの、世界で1つのバイクを作ろう。これもまた自転車の楽しみ方

バラ完することでオンリーワンのバイクを作ることは出来ます。バラ完だけでなく完成車であってもそれは可能です。
「自分史上、最軽量のバイクを作りたい」
「どこまでも安心して走れるバイクを作りたい」
「イベントで目を引くような個性的なバイクを作りたい」
バイクを作る思いは人それぞれです。あなたの作りたいバイクを是非店頭でお聞かせ下さい。プロのメカニック達が理想のバイク作りを全力サポートいたします。
