Panasonic ORTC11(チタンフレーム)レビュー

3月11日より開催のPanasonic ORTC11 Version H/Version Lの試乗ですが、お陰様で多くの方に試乗して頂いております。 やはり皆さん、普段なかなか見ないチタンフレームに興味が尽きないようで。 スタッフ自身も多少乗り込んでみましたので、試乗いただいた皆さんの意見も踏まえながらレビューしてみます。

 

   ORTC11 Version H

こちらは筋力がある方向けの太めのフレームのVersion Hです。まず乗ってすぐにフレームの剛性の高さを感じました。発進時やダンシング時に踏み込んでもフレームがたわみません、まるでフレームの中に一本の芯が通っているようです。 踏み込んだ際の力が逃げずに推進力に変わっているのが実感できます。 よく言われる事として剛性が高いフレームの場合は路面からの振動を身体に伝えやすくなってしまい、結果乗っていて疲れを感じる事に繋がると聞きます。 確かにアルミ製のフレームでは実際そう感じる事が多いですね。

しかし驚くことに、このフレームではそのように振動を過剰に感じ疲れに繋がる事はありませんでした。 乗り味自体は非常に滑らかなのです、路面からの振動を必要以上に感じる事はありませんでした。 路面状況を感じ取れるだけの振動は伝えてくれるので安心して乗っていけます。 踏み込んだ際の加速する反応がとても気持ち良く、乗っていて自分が速くなったと勘違いしそうになっちゃいました。  

 ORTC11 Version L

こちらは細身で体重が軽い方向けの細めのフレームのVersion Lです。 Version Hと比べると本当にしなやかな乗り味です。柔らかいと感じてしまうほどでした。 だからと言って踏み込んだ力が逃げている様な進まなさは全くありません。

説明が難しいのですが…フレームのしなりとペダリングのリズムが上手く重なると、自分でも不思議なほど滑らかに加速します。

頑張って踏み込んでいないのに普段よりスピードが出ているという、自分でもよく分からない体験でした。 この特性はチタン自体のしなりが生み出すものなのかVersion Hでも感じられました、ですがVersion Lに乗った時の方がより強く感じました。 ギアを踏み込む乗り方ではなくフレームにあったリズムを如何に引き出せるか、そこで評価が分かれる乗り味だと思います。  

2種類ともに言える事ですが、重量は最新のカーボンフレームに敵いません。 乗っていただいた方の中でも登りでの重さが気になったと言われる方が数人いらっしゃいました。 なので、残念ですが登りを楽しみたい方には少し不向きなのではないかと考えます。

またホイールの選択に関してはVersion Hは硬いホイールであればより加速が増すでしょうし、逆に柔らかめであれば乗り心地が丁度良い塩梅になるかと思います。 Version Lの方はどちらかと言えば軽いホイールでリズムに乗ったペダリングを心掛けた方が楽しく乗れると感じます。

カーボンにもないアルミにもない、クロモリとも違う独特の乗り味は非常に面白いです。 開催期間は今週一杯とあまり残されていませんが、興味があるお客様のご試乗をお待ちしております。

2 件のコメント

  • 突然の書き込み失礼します。私も古いパナチタン(2003モデルのいわゆる「コブラシェイプ」)に乗っていますが、正に書かれている様にバネのようなしなやかさがあり、特に登坂時にペダリングとフレームの「波長」が合うとグイグイ進んで行く感じですよね。これは表現が難しく、乗った人間にしか分からない事かもしれません。たまたま記事を拝見し、感覚的な所を余りにも的確に書かれていたので、嬉しくなってついつい書き込んでしまいました。以上失礼しました。

    • コメントありがとうございます。チタンは乗っているライダーも少ないため、この良さを伝えたくてもなかなか文章にして伝えるという難しさがあって、
      このブログを書くときもかなり苦労しました。私のつたない文章でご理解いただけるライダー様がいて、嬉しく思います。
      チタンにしかない、独特の味わいを多くの人に味わってもらえるよう、今後も精進していきます。ひきつづきブログをよろしくお願いいたします。