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自転車をこよなく愛するメカニック森下です。
先日はBEACH LINE BICYCLEのライドイベントで200キロ近く走ったりと、整備だけでなくプレイヤーとしても自転車と接する機会が多くなってきました。
元々ブルベやサイクリングイベント・レースにもでたことがあったので、乗るほうも大好きなのですが、長距離を走る際は「登る」ことは避けては通れないと思います。
登のが苦手な方が大多数であろう自転車乗り。好きで登るようになってきたら、恐らく上級者の仲間入りと言っても過言ではありません。登ることは確かに辛いしキツイですが、少しでも効率よくスイスイと登れる様になれば、きっと自転車がより楽しくなると思います。
今回はヒルクライムにピッタリな（チート）アイテム「SKOPRE（スコプレ）」のクリートシムをご紹介します。
SKOPRE（スコプレ）クリートシムとは
SKOPRE（スコプレ）クリートシムは、シューズとクリート隙間にはめ込むことで、ペダル下死点の入力パワーのベクトル方法を変化したり、クリート位置をさらに後方へオフセットさせることによりペアリング時の脚のサポート力を増やすことが出来るアイテムになります。
ベクトル？後方にオフセットすることで脚のサポートを増やす？
一体なんのこっちゃっというワードだらけだと思います。
まずはパワーベクトルを変化させる「ZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIM」をご紹介します。
ZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIM
ZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMはスコプレを代表するクリートシムです。
ロードバイク用シューズに使用できるシムで、シューズとクリートの隙間にはめ込み装着します。
ペダルを回すという動作は簡単なようで奥深く、がむしゃらに力をこめて回している様でも踏み込んだちからが回転するパワーに変換できなければ体力だけが奪われるばかりとなります。
ペアリング時のパワーは、角度によると１５０度から２１０度にかけて特に弱くなる様で、（ペダルがほぼ後に回ろうとしている角度）ペダリングを時計に例えると３０分の位置近くは下死点とも呼ばれるそうです。
下死点ではどんなに踏み込んでも自転車は全く動きません。そのため引き足をつかってパワーを再度ペダルに込める必要があります。自転車が進む原理とペダリングを結びつけると、意外とペダルを回すという動作は奥深く感じてきます。
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMはそのペダリング下死点時のパワーの入力ベクトル方向を変えることで、
ペダリング時にパワーが弱まる位置で斜め方向へペダルを蹴り出すペダリングが出来るクリートシムになります。
（スコプレのクリートシムの効果を視覚的にわかりやすくした動画のリンクを添付いたします。ご確認下さい。）
下死点にペダルがある際、トルク（クランクの長さに対してペダルを踏みこんだ際に生まれる回転力）が２０％向上し、ケイデンスを８０で維持して１１分走行した際の平均パワーは５％向上したというデーターがあるそうです。
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMを使用することで無駄なくパワーをペダルに込められるペダリングができるというわけです。
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMを１年使用してみた
私はこのクリートシムを実は１年近く使用しています。
プラシーボ効果だろうと思われるこの手のパーツは実際に使ってみることが大切です。
実際に使用してみた感想としては、ペダリング時どこの位置にペダルがあってもシューズが地面と限りなく水平な角度で回っている様な感覚がありました。
（リンクにある動画のように、足がペダル動作で揺れるようなことがないです）
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMにはベクトル方向を変えるため独特な角度の形状をしてる為、そこにクリートが装着されることで今までにない「足首や脛の筋肉を使ってペダルを回していた」であろう疲労感がなくなりました。
引き足も使いやすくなった感覚もあり、坂でもペダルを回す度にバイクも追随してどんどん進む感覚があります。
疲労感なく淡々とパワーをしっかり推進力に変換してくれるスコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMはぜひとも使ってみてほしいアイテムです。
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMのデメリット
どんな便利アイテムにもちゃんとデメリットは存在します。
スコプレZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIMを装着する際は、強制的にサドル高が7mm程度高くなります。
クリートシムを使用している分、足のリーチが長くなるためです。
フィッティング等を実施して、身体に合わせたパーツを選定して取り付けてた後にサドル高が変化してしまうと、
多少なりと乗車中に違和感が生じると思います。
そして、クリートシムを使用している分ペダルの着脱が少しやりずらいです。
（手袋をして細かな作業を行うと手先の感覚が鈍り、いつもより作業がし辛いような感覚）
あと、とんでもなく歩きにくくなります。クリートをシューズつけて歩くだけでも歩き辛いのに、姿勢を屈めることでさえしずらくなってしまいます。
私の場合は後方へクリート位置を設定することで違和感のないポジションをみつけました。しかし、クリートシムを使用すると従来取り付けられるクリート位置よりさらに後方へクリートを取り付けれるようになる為、最初の設定はどこにクリートを取り付けた方がいいのか悩むと思います。
使用してみたい時は、このデメリットもふまえた上で取り付けてみましょう
ZEN SLIP PLUS （ゼンスリッププラス ）クリートシム
続いては、スコプレより新たにリリースされたクリートシム
ZEN SLIP PLUS （ゼンスリッププラス ）クリートシムのご紹介です。
ZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIM同様に入力ベクトル方向を変化させるアイテムですが、さらにクリート位置をオフセットさせることが可能となりペダル上での足のサポート力が向上しました。
このサポート力により、通常3本で踏んでいることの多い中足骨（ちゅうそくこつ）を5本で入力できるようになるため、ふくらはぎの拮抗筋（きっこうきん）への負荷を軽減することが出来ます。
（ふくらはぎの拮抗筋は、疲労するとけいれんを起こす可能性があります。足がつる（こむら返り）は、筋肉が突然収縮して硬くなる状態であり、医学的には「有痛性筋けいれん」と呼ばれます。これは、主動筋が収縮した際に、拮抗筋も同時に収縮し、保護反応として起こることがあります。また、神経から筋肉への指示がうまく伝わらず、過度に筋繊維が収縮してしまったり、体のイオンバランスが崩れることで起こる場合もあります。）
脚が疲労してよく攣ってしまう方には、予防する効果も期待できるので気になるアイテムですね。
そもそも中足骨ってなに？何本あって何がどうなってるの？
まったくもってその通りです。人間の骨は約206個もあるのに「中足骨」が何本で・・とか急に言われても意味不明です。僕も読ませてもらった資料を参考に一度解説いたします。
まず人間が二足歩行で歩けるのは、地面の第一中足骨がささせてくれているおかげです。
（中足骨はFalagi intermedieになります）
例えばこの第一中足骨が支持できないほど損傷してしまった場合、人は足を引きずって歩くことになります。
サイクリング時も同様で、中足骨がペダルの軸に対して支えとなりペダリングが出来ています。
従来のペダル位置では、足の第１～第３中足骨のみがペダル軸に対しての支えとなっていました。
スコプレのクリートシムはペダル軸上で足を10mm前方に移動させる（クリート位置を最大10mm後方へオフセット出来る）ことが出来ます。これによりペダル軸での足の支点、第５中足骨まで増やし膝蓋骨（しがいこつ）の圧迫感を低下させます。
（膝蓋骨は主にヒザの部分の骨です）
膝が動かしずらいとペダリングもうまくできませんよね。
より安定感のあるペダリングを行えるようになるため、ふくらはぎの拮抗筋の疲労を軽減できる訳です。
スコプレのクリートシムは人間工学に基づいてつくられたアイテムだったわけです。
（プラシーボ効果なんて言ってごめんなさい）
スコプレのクリートシム。気になるお値段
人間工学に基づいて作られたスコプレのクリートシム達。
そんなに変わるなら使ってみたいですよね。使ってみたくなるんです。
スコプレのクリートシムのお値段は以下になります。
・ZEN SLIP V2.0 CLEAT SHIM（ゼンスリップV2.0）クリートシム 税込￥5,478円
・ZEN SLIP PLUS （ゼンスリッププラス ）クリートシム 税込￥6,600円
クリートとは違って、ペダルの着脱で劣化・消耗するパーツでもないので一度買うと破損するまではずっと使用し続けられます。
どうしてもヒルクライムが苦手。ライド中に足が痛くなる。足が疲れやすい方。
是非一度スコプレのクリートシムを使ってみてはいかがでしょうか。BEACH LINE BICYCLEでは絶賛ご注文受付中です。
使ってみたくなったらぜひスタッフへご相談下さい。
BEACH LINE BICYCLE メカニック 森下 綾太
