BEACH LINE BICYCLEの森下です。
テック関連記事その10W(ワット)を削りだせ!!空気抵抗削減がもたらす影響と
さらにその10wを削り出せ!!ライダーを縛り付ける「抵抗」の正体を読んでいただき誠にありがとうございます。
「へぇーためになるなぁ」とちょっとでも感じていただけたら嬉しいです。
今回は最後の「抵抗」に関するお話し。「路面抵抗」について勉強していきます。
この路面抵抗が一番厄介と言うか・・・結論から言うと「わかんない」です。
え?どういう事って話ですよね。順をおってご説明しましょう。
よく間違われる「転がり抵抗」と「路面抵抗」
「転がり抵抗」と「路面抵抗」
一見するとタイヤが転がる抵抗を意味している様に聞こえます。まず転がり抵抗は、「実験室、または試験場で計測される数値」になります。私たちが主に走るような環境下では数値通りにはなりません。あくまでタイヤが転がる抵抗を調べてる数値なんです。「路面抵抗」とは、実走での抵抗の事言います。実験室での結果が、リアル環境でも同じというわけではないです。
私たちが走る路面は、アスファルトの整った箇所もあれば、コンクリートでできた路面、砂利道、泥道等々・・・ライダーの生息域にもよりますが、路面環境は様々です。そのなかで路面抵抗の削減をどうしていこうと言うのが、今回のブログ内容となります。
路面抵抗が及ぼす影響とタイヤの関係
路面環境とタイヤのセッティングがあっていないと、様々な影響が出てきます。まず、高すぎる空気圧です。
空気圧と路面抵抗は大いに関係があります。ごく一般的な舗装路で高気圧に設定したタイヤで走行した場合、路面環境次第でタイヤが跳ねやすくなります。この跳ねる現象、じつはパワーロスになっています。
バイクが跳ねて上下に振動している時、バイクはうまく進むことが出来ません。タイヤが路面をとらえていないので脚力を伝達できていないためです。また、跳ねている間バイクを制御しなくてはならない為コックピットにも無駄な力が加わり操舵性も悪くなってしまいます。この振動が延々と続けば、どれだけクランクを回してもバイクは進まず体力だけが奪われます。
空気圧を使用用途、使用環境におうじて最適な量にセッティングすることが、路面抵抗を削減させることにつながります。
「タイヤ空気圧は規定最大空気圧より1気圧下げておくほうがいい」
ひと昔前まではこのキーワードともいえる言葉通りのセッティングだけを行っていたはずです。だって他のライダーも、ショップでもそう言ってたし。実際僕もそうでした。しかし、何でもかんでもそのキーワード通りのセッティングではデメリットばかりで、バイクは思うように進みません。
このキーワードはリムブレーキ全盛の時代で、細いタイヤとリムを使用していたころの名残なんだと思っています。700×23cあたりを使用していると「リム打ちパンク」がとても怖かったと思います。タイヤ幅が細いので段差でリム打ち、溝にはまってサイドカットなど。現代のタイヤ幅では耐性が生まれているトラブルに悩まされていました。
高気圧あれば有利な路面や環境もありますが、まず私が走る環境のほとんどで高気圧状態のタイヤを使用することはデメリットの方が多いのが実情です。ではタイヤ空気圧の目安とはいったい何なんでしょう。
じつはそんなもの存在しません。
タイヤ空気圧の適正量は、タイヤとリムに刻印されているが・・・
タイヤの適正空気圧のめやすなんて存在しないといいましたが、これはライダーのタイプに応じて使用する空気圧に目安なんてないという意味です。
ちゃんとタイヤ側面と、取り付けるリムには適正空気圧の量が記載されています。しかしこの数値は、機材としてタイヤとホイールが動作する適正量としての数値です。この数値は使用するホイールのタイプによっても変わります。
ライダー別で「タイヤの空気圧の数値がこれだけだから、この量まで空気を入れるといいよ」なんてこと言っても当てはまりません。
タイヤの空気圧によって生じるパワーロスには2パターンあります。
「低圧すぎてタイヤ自体が変形することによるパワーロス」
「高圧すぎることでタイヤが跳ねることによるパワーロス」
この2パターンによってパワーロスが発生しています。この絶妙なバランスはライダーがこれから走る路面のパターンにおうじて選択する必要があります。
そう、空気圧だけでなくタイヤ幅もね・・・
タイヤ幅による路面抵抗の違い。空気抵抗との関係性
ここでタイヤ幅についての話になります。現代のロードバイク、グラベルバイクの大半がディスクブレーキとなり、使用できるタイヤ幅にバリエーションがふえました。ブレーキタイプ変更に伴い、使用できるタイヤサイズ・タイプも豊富になりました。
「じゃあ実際どのサイズのタイヤが一番効率がいいの?」
その答えもまた存在しないかもしれません・・・タイヤサイズによるパワーロス軽減には様々な要因と条件が必要となります。タイヤ幅が及ぼす影響として、極端に細いタイヤと太いタイヤ。どちらが良いのかをざっくり説明します。
細いタイヤ700×25cのタイヤを使用している時と、700×40cのタイヤを使用している場合。
25cの場合はタイヤ自体が軽く瞬発力に優れます。しかし、コーナーに入る際タイヤの変形率では太いタイヤの方が変形が少なく接地面が変化しない為抵抗が少ないです。より路面環境が整っている場合はその変形も影響が少なくなるかもしれませんが、その条件は路上走行時では稀なケースかもしれません。
40cの場合はタイヤ自体の空気圧が少なくて済む為、トラクションやショック吸収性に優れます。低圧の状態で走るほうが路上抵抗が少ないデーターがある以上、太いタイヤを使用できるのであれば使用した方がメリットが高いでしょう。しかし空気抵抗の要素を入れると、40cのタイヤを使用しても空気抵抗を減らすことが出来るホイールは少数派です。そもそも40cが使用できるフレームとなればグラベルバイクなどが当てはまる為、空力性能を意識した「グラベルレースバイク」を使用していないと空気抵抗の削減は困難でしょう。
40cより細い25c~30cのタイヤを使用した方が、空気抵抗の削減する為の選択はたくさんあります。
その空気抵抗の削減を目的とするシチュエーションが、「走行中の空気抵抗削減」の為なのか、「止まっている時(自身はスピードがあまり出ていない状態)での空気抵抗の削減」なのかで削減した際の効果も変わってきます。
状況に応じて、よりパワーロス軽減につながる設定を行うしか方法は無いのかもしれません。
結論、このブログでは路面抵抗を削減させる明確な方法は、「時と場合によるのでわかりません」という結論になります。ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
空気圧の調整で路面抵抗は軽減しよう。電動携帯ポンプを使ってみよう。
状況に応じてと記載しましたが、走っている最中に「路面抵抗があるからここでタイヤを交換しよう」とはなりません。タイヤは交換できませんが、空気圧の調整によって路面抵抗に対応できます。
ライド中、持っていた方がいいアイテムとして「携帯ポンプ」があります。主にパンクした際にしか出番がなさそうですのでお守りと化しているかもしれませんが、空気圧を調整するには必須のアイテムです。
しかし、ポンピングが面倒だし空気圧を測るメーターがない。メーター付き携帯ポンプを買うと収納するスペースがない。そもそもバイクに付けれない(邪魔)場合があります。ぼくも携帯ポンプは使ってないです。
携帯ポンプより便利なアイテムがあります。「携帯電動ポンプ」です。
電動携帯ポンプは指定した空気圧まで自動で空気を入れてくれます。面倒なポンピングも不要。空気圧メーターもいらない。コンパクトで持ち運びにも便利なため、より空気圧をシビアに設定して走行するMTBの分野でも広く使用されています。
ELXEED(エルクシード) BL01は、携帯電動ポンプ界でも最小モデルの1つです。このエルクシード、重量108g。その筐体からは想像できないほどパワフルなポンピングで、
一般車のタイヤ。約7本(40PSIの場合)
ロードバイクタイヤ。約3本(80PSIの場合)
マウンテンバイクタイヤ。約3本(80PSIの場合)を膨らませます。
空冷ファンまで装備しているので、ポンピング時の発熱にも耐性をがあります。エルクシード強すぎる。これさえポケットやツールボトルに常備しておけば、道中タイヤの空気圧を調整して路面抵抗を削減できる事でしょう。
ELXEED BL01は店頭にも在庫がございます。人気商品ですので、売り切れの際はご注文で対応いたします。
ELXEED BL01 ¥11,900(税込)
あらゆる視点から抵抗を観察して、最適なセッティングを見つけよう!!
いかがでしょうか。約3シリーズにわたってご紹介してきました「抵抗」についてのブログ。
「空気抵抗」
「機材抵抗」
「路面抵抗」
この抵抗をすべて削減することは難しいかもしれませんが、限りなく減らすことは出来ます。バランスを考えてバイクをセッティングすることで、サイクリングがより楽しくなる。考えた分だけ楽しくなるのでサイクリングはやめられません。
セッティングに必要なパーツや、ウェア。ライドが楽しくなる情報をインスタグラムでも紹介中。
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