BEACH LINE BICYCLEメカニックの森下です。
悲しいお知らせですが、私が長年使ってきたレザインGPSサイコンがとうとうメーカー在庫限りで終了する情報を耳にしました。7年近く愛用してきて、その稼働時間とナビゲーション機能(とても刺激的なルートしか案内しないので、心身ともに鍛えられました)に助けられました。
僕のレザインGPSサイコンもいつかは壊れます。そろそろ新しいサイコンを検討しなくてはならないと思い、サイコンブランドを色々調べている真っ最中です。
そんな時、ふと閃きました
「スマホをサイコンの代わりにしてしまえばいいのでは」と
もともとレザインGPSを使う前はスマホをサイクルコンピューターの代わりとしてナビゲーションさせていたので、ある意味原点回帰です。
スマホをサイクルコンピューター化させるには「OsmAnd(オズマント)」しかないでしょう。
今回はスマホをサイクルコンピューターにしてしまう便利アプリ「OsmAnd(オズマント)」のご紹介です。
OsmAnd(オズマント)とは
OsmAnd(オズマント)はオープンストリートマップ(OSM)の代表格とも言えるアプリです。
OSMとは「誰でも使える自由な地図」の提供を目的として開発されたアプリです。その活動は自治体の防災マップに採用されるほどです。
僕がOsmAndを知ったのは7~8年前・・・そう人生で初めて600kmブルベに挑戦して完走した時です。
友達と一緒に600Kmブルベに参加して友達がOsmAndを使用していました。
僕も当時はサイコンは高価で買えなかったのでスマホにナビをささせてブルベに挑戦したのですが、OsmAndはまさに最強のアプリでした。
ナビゲーションをしてくれるアプリは、探せば星の数ほどあるなかで、OsmAndは何がどう違うのかご紹介していきます。
ナビゲーション機能が根本的に違う
OsmAndは基本的に地図データを最初にダウンロードしてつかう「オフラインマップ」方式でナビゲーションを行います。電波を使用してナビゲーションをしない為、データ通信量が発生しません。
何なら機内モードでもナビゲーションする為、OsmAndをインストールできる端末であれば何でもナビゲーション出来るサイコンと化します。すごすぎ!!
地図データもGPXファイルを使用できるため、ガーミンコネクトなどで作られらルートをそのままダウンロードしてOsmAndでナビゲーションさせることも可能です。
メインスマホにOsmAndをインストールしてナビゲーションさせるのもいいですが、落車等でスマホが破損すると大変なので、予備スマホなどにインストールしてナビゲーションさせるのがいいかもですね。(テザリングしてナビゲーションさせる為の電波を使用しなくても動作できるので)
音声でナビゲーションしてくれるんです!!
OsmAndはなんと音声でナビゲーションをしてくれます。Google Maps顔向けのナビゲーションアプリです!!
その音声ナビゲーションも丁寧すぎるくらいで、峠をヒルクライムしている時
「ここを右です。そのあと左です」
「左です。そのあと右です」
みたいに、くねくねと曲がりながら登る峠道の曲がるポイントをいちいち音声で知らせてくれるくらいです。
孤独にロングライドする身からしたら、音声ナビに名前でも付けたくなるくらいずっと喋りっぱなしでナビしてくれるので愛着がわいてきます。
とにかく、方向音痴さんでも絶対に道がわかる音声ナビゲーションはありがたいです。
ルートを外れても安心。ルートを再検索してくれます。
どんなに丁寧な音声ナビゲーションでルートを案内されても「ここは通れないだろ・・・」って道を案内されることもあるでしょう。(レザインGPSがそうでした)
インストールしたGPXデーターでもルートの詳細を完全に把握することは困難です。走れない様な道や、手持ちの装備ではこれ以上進めない。ショートカットしてやり過ごしたい時など、OsmAndはルートをはずれても再度適切なルートを瞬時に再検索してくれます。
もちろん音声ナビゲーションが再検索したルートを丁寧に案内してくれるので安心です。
サイコンによってはルートをはずれると、そままルートを再検索してくれないモデルもある為、緊張する場合もあります。土地勘がなく結局Google Mapsを使用してしまうこともあります。
OsmAndはあなたを確実に目的地へ案内する事でしょう。
ここまで多機能なのに基本無料!!
なんてことでしょう!!ここまで多機能なのに基本無料で利用できます!!
OsmAndは基本機能だけでも十分に楽しめる神アプリなのですが、自転車のだけでなく車やバイク、登山ナビゲーションとしても活用できます。
表示される情報量も申し分ないため、ほんとにサブスクでもなく課金もなしでこんなに機能盛沢山のアプリつかっていんですかと思います。
スマホをサイクルコンピューターにする際のデメリット
ここらからはちゃんとデメリットを紹介していきます。
まずスマホをサイクルコンピューターにする際のデメリットとしては、スマホはもともとサイクルコンピューターではない(当たり前)なので、基本的に機能はナビゲーション1つに特化している為、ケイデンスやパワーなどセンサーを駆使した情報を表示できません。(OsmAndはスピード・距離・標高は表示できます。)
ナビアプリはバックグラウンドでアプリが稼働する為、スマホの画面をスリープにしてもバッテリ―はどんどん消費されます。OsmAndはオフラインで稼働する為、OsmAnd以外の余分なアプリのデータ通信を遮断できます。他のナビゲーションアプリよりはバッテリ―を節約して使用できるとおもいますが、メインスマホの電波を切って使用するなんで安易にできません。(緊急時の連絡や、大事なメッセージを受信できなくなります)
また、昨今のコックピット(ハンドル周り)の環境にはスマホをマウントさせることが難しくなってきていることです。
「完全内装」を採用しているフレームが増えてきている為「ステム一体型ハンドル」を採用していることもあり、サイクルコンピューターしか取り付けるスペースが確保されていない場合があります。その場合はステムにマウントをまきつけてスマホを取り付けるしか方法がありません。
ロングライドでOsmAndをつかってナビゲーション環境を充実したかったのに、これでは本末転倒ではないか
マウント規格を統一しよう
解決の道筋はしっかり残されています。その第一歩として「スマホを取り付けるマウント規格の統一」が重要です。
スマホをマウントするだけに特化してしまうと、サイクルコンピューターを使用するシチュエーションではマウントの付け替えや、アダプターの交換が発生してしまいます。私の経験からして、アダプターやマウントを増やしすぎると高確率でパーツをなくしたり、欲しいと思った時にパーツ自体が製造終了してしまったすることがあります。
なるべくオープンな規格に対応して、変換するにしてもパーツ点数の少ないモデルで運用したいところです。
代表的なメーカーをご紹介いたします。
レックマウント+(プラス)
マウントアクセサリーといえば「レックマウント」です。ありとあらゆるハンドル規格に適合するマウントを作り続けるブランドで、その2万通りからなる拡張パターンの多さは安心感すらあります。
そのレックマウントからリリースされるスマホマウントを得意とするアイテムが「レックマウント+」になります。
スマホをマウントするはもちろん、サイクルコンピューターとライトをマウントすることも可能です。
王道の組み合わせパターンは、レックマウント+ナローマウントとダブルアームセットの組み合わせでしょう。
この組み合わせですとマウント先端にスマートフォンを取り付けることはもちろん、ダブルアームセットにスマートフォンを設置して先端にサイクルコンピューターを取り付けることも可能です。
レックマウント+は専用の貼り付けタイプアダプターをスマートフォンへ貼ることで、マウントに取り付けることが可能です。フラットなタイプであればモバイルバッテリーにも貼り付けることが可能ですので、ダブルアームセットにモバイルバッテリーをとりつけて、スマートフォンを充電させてながらナビをさせることも可能です。
これでデメリットであるバッテリーの消費を抑えられますね。
便利すぎるのでついついハンドル周りがレックマウント製品であふれかえってしまうくらいレックマウントは便利です。
フィドロック バキューム
便利なのはレックマウント。しかし、ゴテゴテとハンドル周りにマウントを付けたくない。しかし・・・
ハンドルが重くなるのが嫌だ。
スマートな見た目がいい。
そんな方には「フィドロックのバキューム」がおススメです。
フィドロックは磁石の力を利用してアイテムをマウントするメーカーになります。捻って取り外し、取り付けはマウントに置くだけのシンプルさゆえにとてもスマートな見た目をしています。
まずはスマホに「VACUUM UNI PHONE PATCH(バキューム ユニ フォンパッチ)」を貼り付けます。
この商品最大の特徴は、「マウントされたスマートフォンは無段階で360度回転可能という事です。」
もちろん走行中に回転しないようにラチェット機能を搭載させているため、使用中の回転を防いでいます。
マウントの上でスマホを横向きしてナビ画面を見やすく調整もできるわけです。そしてこの特徴は意外な場面でも活躍します。
この「VACUUM TURN BASE FOR GPS MOUNT(バキューム ターンベース GPSマウント)」を使用することでオープンなマウント規格である「ガーミンマウント」上に「VACUUM UNI PHONE PATCH(バキューム ユニ フォンパッチ)」を貼り付けたスマホをマウントできるようになるわけですが、商品名付近に「VACUUMマウント for ガーミン・Wahoo」と記載させています。
そう、オープンなマウント規格はガーミンだけではなくWahoo(ワフー)もオープン規格なのです。それもそのはず、Wahooのマウントはガーミンマウントの向きを横向きにしただけだからです。(結局ガーミンじゃん)
しかし向きが違う為、ガーミンマウント規格を採用したスマホマウントアイテムをWahooマウントに取り付ける際、せっかく貼り付けたマウントを剥がす必要があります。この貼り付けタイプのマウント、超強力な両面テープなので無理に剥がせばスマホケースの塗装が剥げます。もちろん剥いだマウントは再利用できません。
Wahooユーザーはちょっとした規格の違いで悩まされてきたはずです。
「VACUUM UNI PHONE PATCH(バキューム ユニ フォンパッチ)」はこれを完全に克服しました。無段階で向きが調整できるので、マウント向きなんて関係ありません。
「VACUUM UNI PHONE PATCH(バキューム ユニ フォンパッチ)」と「VACUUM TURN BASE FOR GPS MOUNT
(バキューム ターンベース GPSマウント)」さえあれば使用しているサイクルコンピューターマウントを付け変えることなくスマホをマウントすることが出来るというわけです。とてもスマートですね。
(VACUUM TURN BASE FOR GPS MOUNT(バキューム ターンベース GPSマウント)自体に厚みがあるので、マウントが若干下方にオフセットされたマウントであってもハンドルに接触せずにスマートフォンを取り付けることは可能ですが、若干の角度調整は必要になる場合もあります。)
レックマウントをすでに使用されている方にもおすすめの商品ではないでしょうか
このバキュームはサイクルコンピューターマウント以外にも、ハンドルバーやステムキャップに取り付けるマウントもリリースされています。いちいちサイクルコンピューターをつかってまでライドしないユーザーには素早く簡単にスマートフォンを取り付けられるほうが環境としてはいいかもしれません。
ロングライドでもスマートフォンナビアプリは使えそう
レックマウント+やフィドロックを活用すればロングライドでもスマートフォンを利用してナビゲーションさせることは出来そうですね。
変に何かを取り付ける為にアイテムを増設せずに取り付けるブランドを統一すれば、それだけでアイテムの管理も簡単になります。
バッテリ―問題もモバイルバッテリー自体をマウントさせることことで無事解決です。
マウントさせずとも、トップチューブバックにモバイルバッテリーを仕込み、充電ケーブルをのばして充電しながら走行するのもいいですね。
OsmAndをあなたのスマホにインストールして、安心安全なライドを気軽に楽しみましょう。
OsmAndはリンクからダウンロードできます。
https://play.google.com/store/apps/details?id=net.osmand&hl=ja