BEACH LINE BICYCLEの森下です。
2025/5/4 BEACH LINE BICYCLEではショップライドイベントとして「ワンピースブルベ」を開催しました。
ブルベとはいえもちろん非公式なので、記録には残りません。
しかし、参加者にはしっかりと心に刻み込まれた、思い出深いイベントになったことでしょう。
(この距離とプレイ時間はBEACH LINE BICYCLE史上最長となります。)
BEACH LINE BICYCLEの歴史に名を残すであろう「ワンピースブルベ」の忘備録となります。
是非ご覧ください。
スタートは絶好のライド日和
5/4 AM7:00 系列店舗の「スペシャライズド熊本」からスタートした「ワンピースブルベ」
早朝という事もあり肌寒さもある気候でしたが、雲一つない快晴となりました。
阿蘇あたりからは紫外線が強まるであろうことから、参加者全員日焼け止め対策は万全でした。
ツールボトルにもリペアアイテムをしっかし持参して、道中のメカトラブル対策もバッチリ。
補給食もしっかり携帯されていました。
なんと今回のライドイベントは、当社からサポートカーを同伴するサービスも実施しました。
特大サイズのハイエースには参加者全員分のバイクを積載可能。(4台/4名乗車可能)
専門工具や予備ホイール1セット(ディスクブレーキ仕様)と、アミノサウルス補給食も持参していました。
(補給食ならアミノサウル。リンクから商品ラインナップをチェックできます)
https://shop.saurusjapan.com/fs/lineup
少しでも不安なくライドに集中して頂けるよう万全の準備でイベントを開催いたしました。
(サポートカー付のショップライドができるのはBEACH LINE BICYCLEだけではないでしょうか)
はたして道中はどんなライドだったのでしょう
平坦を爆走!!阿蘇にむけて貯金(タイム)しよう
ブルベ経験もある私は「ワンピースブルベ」のコースはなるべく本番のブルベに近いものを提供したかったので、コースも実際にブルベで使用されたコースをもとに作成しました。
(ワンピースブルベのコースリンクはこちら。参加者が走ったコースを実際に走ってみよう!!)
https://connect.garmin.com/modern/course/350322924
通常のブルベには時間制限があり、制限時間内にチェックポイントをすべて通過してゴールすることが目的となります。今回はライドイベントである為、制限時間は設けず「完走」を目的に開催しました。
しかし、獲得標高が1,700mを超えるためなるべく阿蘇のルートを走り切るためにプレイ時間を貯金したかった。
(森下(黄色い人)さんちょっとお腹で出ますけど気にしないで)
体力とタイムを貯金する為には、チョッパー像→ジンベイ像→ブルック像→サンジ像までの区間(ほぼ平坦)を楽に速く終わらせる必要がありました。
森下がトレインの先頭に立ち参加者をどんどん引っ張ります。
阿蘇ルート突入!!ここからが本番だった・・・
参加者とのチームワークもありタイムスケジュールは好調。予定どおりタイムを貯金できました。(30分速いペースでした)
この貯金をしっかり阿蘇で使い切りたい。あわよくばこのまま貯金していきたい。なぜ制限時間を設けていないイベントなのにタイムに執着してしまうのか?
それは、とあるポイントだけ制限時間がある為です。それは「ロビン像」
ロビン像だけは、設置されている敷地内に入れる時間が決まっており、17:00がタイムリミットなのです。
(17:00以降は施設が閉館となりロビン像を見ることは出来なくなります)
どうせならロビン像の前で参加者全員と写真を撮りたい。ロビン像の前で写真がとれればある意味このライドイベントは完全勝利だとおもっています。参加者も時間制限以内にロビン像を目指して頑張ります。
阿蘇のヒルクライムは予想通り過酷でした。緩やかな坂が数キロにわたって続き、突如として斜度10%を超える坂も現れる。足が攣ってしまった参加者もいたので森下も懸命にマッサージをしてリカバリーします。
ナミ像のある萌の里についたころには、参加者から疲れを感じました。(まだ100キロ走ってないんですよ。辛すぎる)
萌の里を出てフランキー像のある高森駅を目指す一行。阿蘇の山々から感じる大自然のエネルギー。
辛いかもしれません。しかし、ブルベとはレースではありません。戦っている相手は人ではなく「大自然」
大自然を相手にルート完走を目指すブルベは、体験するだけでも人間レベルが上がるでしょう。それだけの試練を参加者は乗り越えることが出来るのか。
折り返し地点。補給をしっかりとりましょう。
約100キロ地点にある高森駅。「フランキー像」で記念撮影。いよいよブルベも折り返し地点です。
高森駅周辺は定食屋さんもあり補給にも最適です。参加者と一緒にラーメンを頂きました。
ラーメンは最強の補給食だと思っています。失われた塩分とエネルギーを一気に接種することが可能で、麺類は胃の中で膨らむため満腹感も得られます。
激しい運動を継続する際、一番最後に燃焼されるエネルギーとして「脂質」があげられます。一定のタイミングでがっつり補給することで後半でエネルギー切れをおこしてハンガーノックを防ぐこともできます。
阿蘇は夕方以降は飲食店も一気に締まり、気温も下がってきます。補給は最低でも16:00までに済ませることをお勧めします。
トラブルの豆知識。避難場所
ロングライド豆知識。
ライド中、ヒルクライムを終えて下山中に身体が冷え切ってしまった。汗冷えで動けない。仲間とはぐれてしまった。
そんな時マップで探すスポットとして「コインランドリー」をお勧めします。
コンビニが近くにあればコンビニの方がいいです。しかし、地域によっては閉店時間があるコンビニもあります。
コインランドリーは洗濯乾燥機が稼働している為、室内も暖かくトイレも常設されている場合もあります。
冷え切った身体を温めるには何かを食べてエネルギーを燃焼する必要がありますが、まず不可能です。
(燃焼するにも時間が掛かるためどんどん体温は低下します。)
コインランドリーで救助を待てば、低体温症を防ぎながら救助を要請できます。
このブログを読む機会があれば頭の片隅にでも思い出していただければ幸いです。
ウソップ像まで怒涛の5連続ヒルクライム
フランキー像を出発した一行を待つ最大の難所であるウソップ像までのヒルクライム。なんと300mアップのクライムが待っています。その数なんと計5回。
平坦なんて皆無です。ひたすら登ります。その山を越えた先にしかウソップ像はないのだから・・・
参加者は各々のスタイルで果敢にヒルクライムを挑みます。ダンシングで一気に登る人もいれば、淡々とシッティングで上るスタイル。バランス的にダンシングとシッティングを組み合わせるスタイルの方もいました。
私は斜度のキツイ区間でも単発で終わる箇所はダンシングで一気に登ります。斜度が緩やかな場所ではギア比をあげてスローなケイデンスで一気に加速と、回復に利用します。
回復?とおもわれますが、ヒルクライム時のハイケイデンスは心拍を一気に上昇させてパフォーマンスを持続させることが困難になります。スローケイデンスにすることで心拍を一定に保ち、ペダルの上(上死点)に静止するイメージで立ち上がります。そのままペダルを下死点まで踏み込み上半身(肩甲骨からハンドルを引き込む様なイメージ)でバイクをコントロールしてペダルを足の力を極力使わず引き上げます。
これを繰り返すことで疲労した足を休ませながらでも登坂できます。
(すべてのバイクセッティングで上記の方法が実践できるとは限りません。森下は特別なトレーニングと資料を研究している為実施できているだけですので、詳し方法が知りたい方は店頭へお越しください。ご説明いたします。)
頂上に到着しました。
この絶景は最高のご褒美ですね。まさに大自然に挑戦した者にだけ与えられる達成感だと思います。
絶望。悲しき現実・・・
ウソップ像まで制覇した一行。怒涛の5連続ヒルクライムを制したのだから、もう向かうところ敵なしでしょう!!
しかし、悲しき現実を突きつけれらます。ウソップ像に到着時点で17:00を過ぎています。
ロビン像は閉館しました。
この先進んでもロビン像と一緒に撮影は出来ません。
「ワンピースブルベ」なのにロビン像と写真撮れなかったの?
そんなこと言わないでください・・・どんなに頑張ったって一度で成功できないこともあるでしょ。
ここまでがんばってきた参加者は間違いなくスタート時とは違う「仲間だ!!」って意識が強く感じられました。
立った1日のライドイベント。このイベントで初めて出会ったのに生まれたこの団結力。
「ワンピースブルベ」が間違いなく参加者の精神をより強く成長させてくれたんだと感じました。
この先は遙か彼方に鎮座する「ゾロ像」まで阿蘇を走り切る、精神が引き裂かれる様な辛いルートになりますが、きっと走り切れるはずです。
ナイトライド。駆け抜けろ!!ゴールまでの16km
阿蘇を走破した一行。満身創痍で下山して「ゾロ像」のある大津町へ。
信じられないでしょうが、本当に彼らは自転車でワンピース像すべて巡ろうとしています。
すっかり日も暮れて暗闇にたたずむゾロ像。
(そばに立つカライモ?の像があり、暗すぎてゾロ像と間違ってしまいました。それだけ精神的に限界です)
残すところ「ルフィー像」のみとなりました。距離にして残り16km。最後の力を振り絞り駆け抜けるナイトライドの始まりです。
ナイトライドでは昼間と違い地面の凹凸が判別しずらいです。光度の強いライトを使用していても、影で凹凸に気づかずパンクや落車が発生する可能性があるので、先頭を走る人のラインが重要となります。
先頭を走るのは私。路面状況や、周囲の明るさなどを観察しながら後方を走る参加者へ大声で状況を伝達します。
ハンドサインも夜は見づらくなるため、声をかけることはとても重要です。
僕たちはこのライドを通じて絆にも似たチームワークが生まれていたのか、互いに周囲の状況を大声で伝達し合い、一糸乱れぬ走りで「ルフィー像」の待つ県庁への道を駆け抜けました。
感動の記念撮影
21:30 ワンピースブルベ完走しました。
走り切りました。獲得標高1,700m。走行距離約200キロのワンピースブルベを無事終えました。
≪マシントラブル≫ 無
≪ケガ≫ 無
これが何よりの成果です。怪我無くおえてほんとに何よりでした。
今回のライドイベントに参加してくださったお客様には感謝しかございません。皆様の思い出に残るライドを企画できたことを誇りに思います。
そして課題も残るライドイベントにもなりました。サポートカーを手配したライドイベントでしたが、もっと充実したサポートが出来るように改善してまいります。
写真に残すことのできなかった「ロビン像」は、いつか別の形でみんなと一緒に巡りたいですね。
このライドイベントで得られた経験と課題は財産だと思います。参加者の自転車ライフをより充実させるきっかけになれたら幸いです。
今後もBEACH LINE BICYCLEでは思い出に残るライドイベントを企画していきます。
ご興味を持っていただけた方、是非ご参加お待ちしております。
BEACH LINE BICYCLE
メカニック 森下 綾太