NEWS

お知らせ

コンポーネントの世界。御三家シマノ/スラム/カンパニョーロをわかりやすく解説しよう

BEACH LINE BICYCLEメカニックの森下です。今年悲願であったカンパニョーロのコンポーネントをゲットして、御三家コンポーネントメーカーを制覇しました。私が使ったことがないコンポーネントブランドは、中華を除いて存在しません。

御三家とは

・シマノ(日本)

・スラム(アメリカ)

・カンパニョーロ(イタリア)

この3社のことを指し、世界の自転車コンポーネント界を占めています。

我々日本人は物心つく前からシマノを使用しているはずです。なんて言ったって世界シェアNo1ブランドがシマノなのですから。シマノを使い続けて一生を終えるライダーもいれば、私みたいに御三家すべてをつかったライダーもいます。

もちろん国が違えば操作感も変わるし、性能も変わってくるのです。ユーザーの使用用途にあったコンポーネントを選ぶべきなんでしょうが、日本にいる以上シマノを使用し、使用していて不満におもうことがそもそもない。それだけ完璧なのでこのままシマノが最高!!ということなのでブログが終わってしまいそうです。

そんなのつまらない!!なので、御三家コンポーネントをすべてつかった森下のインプレッションブログとなります。

シマノと比較してスラムとカンパニョーロを比較していこうと思います。

目次

SRAM(スラム)完全無線コンポーネントを発明したハイテクブランド

SRAM(以下スラム)といえば、もう題名にもあるように完全無線コンポーネントを発明したハイテクブランドです。

じつは、キッズバイクやシティサイクルにもよく装備されている「グリップシフター」をアメリカで開発したブランドでもあります。MTB コンポーネントではほぼシェア独占状態で、ロードコンポーネントも積極的に開発してきました。そしてついに完全無線コンポーネントを世に生み出したのです。

今だから電動コンポーネントは無線モデルが増えてきましたが、シマノでさえ完全無線コンポーネントはGRXとXTR・デオーレXTのようにグラベル・MTBコンポーネントでしか出せていません。

スラムは当然ながらMTB・グラベル・ロード・タイムトライアルまで幅広くワイヤレスコンポーネントが充実しています。ワイヤレス化はコンポーネントにとどまらず、サスペンションフォーク・ドロッパーシートポスト・ホイールのリアルタイム空気圧残量管理システムなど、どんどんシステムが拡充されています。

モダンなロードバイク・MTBを組むならスラム一択と言わんばかりですね。

AXSにより無線システムが進化し続けるスラム

スラムの提唱する無線コンポーネントはAXSとよばれ、AXSで統合されたコンポーネントに「規格の壁」は存在しません。「規格の壁」とは私がよくコンポーネントの入れ替えを依頼される際に用いる造語です。言葉の通りコンポーネントはそれぞれ使用する用途によって規格・設計される為、その規格を逸脱するような組み合わせ(ミックス)はできない様につくられていました。

例えば、ロードバイクのフレームにMTBのコンポーネントは、いろんな規格の制限によって使用できません。

(変速機のワイヤーを巻き取る比率がロードバイク用とMTBは異なっている為、操作しても変速がうまくできなかったり。なんで比率が違うかと言えば、競技が違うから変速のタイミングも異なってくるでしょ?と理由は様々)

しかし、無線電動コンポーネントであれば信号を送って変速機が動作するので変速比が異なるなんてそもそも関係ないのです。だってモーター駆動だもん。(画像はいろんな用途のコンポーネントを、用途にあわせて最適なパーツでミックして組み上げた例になります。)

スラムはコンポーネント間の規格の壁を完全になくしてしまったので、スラム同士AXSであればミックスし放題なのです。コンポーネントをミックスする理由は様々ですが、自身の脚力・脚質にあったコンポーネントを選択できて、コストパフォーマンスも操作できるのでメリットは十分あります。決められたコンポーネント1式を購入しなくては自転車が完成しないことはスラムには無いのです。

フリーボディー問題にコストパフォーマンス。簡単に載せずらい・・・

ハイテクコンポーネントであるスラム。結果いいことしかなさそうだから直ぐにでもコンポーネントの入れ替えをしたいところですが、どうしてもあと一歩を躊躇させる問題があります。

・フリーボディの互換性

・コストパフォーマンス

フリーボディは12速以上になってから各社独自規格となりました。これによりシマノから他社コンポーネントへ行こうする時、ホイールの交換まで発生する事案が発生してしまいます。特にカンパニョーロは、カンパニョーロ用フリーボディを制作していないホイールメーカーもある為厄介です。

そして当たり前ですがコストパフォーマンスです。どうしてもシマノより高い。高く感じてしまいます。

実際はそんなに金額に大差はないのですが、使用する工具が違ったりスモールパーツの金額が高く、欠品してしまうと長期的に入荷を待つパターンもあります。時間は金では買えません。これを考えるとシマノから他社へコンポーネントを変えたいけど、変えなくても良くね?となってしまうのです。本末転倒じゃないか!!

最高のロマン。カンパニョーロを選ぶ理由

本末転倒となってしまう前に、ここでカンパニョーロをご紹介します。

カンパニョーロを選ぶ。ぼくは最高だと思います。コストパフォーマンス、合理性、そんな枠では囲いきれないロマンがカンパニョーロにはあります。

イタリアは自転車発祥の国として知られ、毎年世界三大自転車レースの1つである「ジロデイタリア」が開催されます。最も世界でタイトルを取っているブランドもイタリア発祥が多いです。

そのイタリアで生まれたコンポーネントブランドが「カンパニョーロ」なのです。

近年のカンパニョーロは多段化か進み、2×13速を世界で初めてリリースしました。最新のカンパニョーロコンポーネントについてはリンクのブログをチェックしてみよう。

https://beachline.jp/archives/20488

変速スピード、重量、耐久性。どれをとっても完璧に近い完成度である為、カンパニョーロを選んだユーザーはきっと満足する事でしょう。

ロマンとはいっても、高すぎるカンパニョーロ

カンパニョーロ=高級コンポーネント。これはきっと間違いありません。実際高すぎる。

ハイエンドコンポーネントの価格帯をまとめると・・・

デュラエース+パワーメータセット価格で約60万

スラムレッド クランク・カセット込みで約70万

カンパニョーロ スーパーレコード 約78万

そんなに変わらん・・・訳はないか。このロマンの差はハイエンドモデルでは18万円となります。カンパニョーロだけはこの18万で世界初の2×13速を選択できるのです。間違いなく希少な分類となるので、ライドイベントでは注目が一気に集まる事でしょう。

エントリーモデルのコンポーネントではどうでしょうか。(電動コンポーネントに絞ります)

シマノ R7170 105Di2 約23万

スラム ライバルAXS E1 約26万

カンパニョーロ 無し(え?なんで?)

シマノ105とライバルE1の価格差はとても拮抗していて、性能でも甲乙つけがたいです。カンパニョーロも比較対象があればいいのですが、電動コンポーネントがハイエンドコンポーネント以下にまだ降りてきていないカンパニョーロには、現行ラインナップでこの2種類と比較できるコンポーネントが無いため「無し」としました。

機械式であれば比較できるのですが、逆にスラムには機械式コンポーネントがグラベル用途のエイペックスしかないので比較するのがとても難しい。同じステージに立てない。

当たり前ですが、エントリーモデルの価格とスーパーレコード13の価格差をもちだされて「カンパニョーロはコスパが悪い」と言ってはいけません。13速による完璧なケイデンスコントロールと、7種類のチェーンリングパターンでロード・TT・グラベルまで対応できる完璧なコンポーネントです。ちょっと別次元じゃないか。

ある意味コスパでカンパニョーロを選択する場合は、使用するフレームを見直す必要があるかもしれませんね。近代の完全内装フレームに対応できるのはスーパーレコード13、スーパーレコードワイヤレス、スーパーレコードワイヤレスSとなります。

完全内装フレームでないフレームならカンパニョーロの機械式コンポーネントが使用できます。カンパニョーロのメカニカルコンポーネントは、是非一度は使っていただきたい。ほんと癖になるほど変速が気持ちよく入ります。

現行ラインナップでもリムブレーキで12速コンポーネントをリリースしていて、グラベルコンポーネントもリリースしている。カンパニョーロフリーボディであれば9~13速まで対応している為、一度カンパニョーロを手にしてしまうと結構癖になるほどハマってしまいます。本当にどんなフレームにも、どんな世代であろと、ロードバイクなら組めるコンポーネント。それがカンパニョーロです。

ホイールでカンパニョーロの性能の高さは周知の事実

コンポーネントは使ったことなくても、ホイールは持っている人が多いのがカンパニョーロ。

姉妹ブランドのフルクラムは、ピナレロ・ビアンキなどの完成車にもついてくることがあります。

とにかく壊れない。軽い。性能がいい。これはホイールも同様です。見出しにあるフリーボディ問題もカンパニョーロ/フルクラムのホイールは解決しています。完成車ラインナップから御三家コンポーネントのフリーボディがラインナップされています。このおかげでホイールは買い替えずにコンポーネントの入れ替えが容易になります。

僕が乗っているビアンキ インプルソCOMPもフルクラムのOEMホイールが装着されていたので、フリーボディのみ交換でカンパニョーロエカル1×13速を導入しました。

コンポーネントの規格は基本的には世代がちがうモデルとのミックスは出来ません。それゆえに、フルセットでの交換が前提となりますが、それぞれの世代が抱えた問題点を解消させるために進化しているのが形状や仕様される材質で感じられます。

「この規格ありきで他も作るから、ある程度のパーツはアップグレードしない」のではない、

すべて1から作り直して、高品質なコンポーネントを作りづける。カンパニョーロのものづくりには感動します。

(ちょっとカンパニョーロひいき過ぎたか)

自転車という趣味はすべてが冒険なんだ

自転車。それは終わりなき冒険。こんなに飽きの来ない趣味も珍しいと思います。

走れば健康になる。

健康になればもっと走れる。

走れると、もっと楽に速く走りたくなる。

走れると、もっといろんなところを走りたくなる。

それを叶えるのはコンポーネントかもしれません。「動けばいい」と思わず、自分自身の個性を出しつつ性能アップもできるコンポーネント選びを楽しみましょう。

もちろん当店では御三家コンポーネントを取り扱っております。専門的なことから、技術的な質問までお気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!