Panasonic ORCC11 & ORCD04 スタッフレビュー

6月1日より開催していますPanasonic ORCC11 & ORCD04の試乗ですが、前回のORTC11の時と同様に多くの方に試乗して頂いております。 前回はチタンフレームで物珍しさが先に立ち興味本位で~…と言う方も多かったですが、今回はPanasonicのクロモリフレームで一台考えているので参考にしたいとご来店頂く方が多い印象です。

またもや多少乗り込んだスタッフの印象を、試乗して頂いた皆さんの意見も踏まえながらレビューしていこうと思います。  

 

ORCC11

こちらは現代版クロモリピュアレーサーと言えるようなモデルのORCC11です。 トップチューブとダウンチューブに粘りのあるカイセイ8630Rをオーバーサイズで、それ以外のチューブを軽量なカイセイ017と使い分けてあります。 更にはヘッド部をインテグラルヘッドとしたうえでオーバーサイズとしてあります。 それのお陰でぱっと見た時にクロモリロードと思えない程全体的にゴツく見えます、とは言いましても最近のアルミやカーボンモデルと比べると細身なのですが。

見た目はともかく、では乗り味はどうかと言いますと…良い意味でも悪い意味でもとてもクロモリロードと思えませんでした。 クロモリと言えばしなやかでバネ感のある独特の乗り味ですが、このORCC11はまるで違いました。 踏めば即座にフレームが応え、非常に加速感が強いのです。その反応はまるでカーボンのようです。

フレーム全体の剛性が高いせいか踏み込んだ力が無駄なく伝わっているのでしょう。従来のクロモリではどうしてもしなやかさと引き換えに力が多少ロスしている印象でしたが全くそれがありません。 では固いばかりかと言いますとそうではなく、路面から伝わる振動はクロモリらしく柔らかく感じます。 また、このフレームに慣れてきてからはクロモリ独特のしなりからくるリズムの良い加速も感じました。

まさにクロモリを使って現在の技術をふんだんに取り入れてレースバイクを作ったらどうなるか、その答えがORCC11になると思います。  ただ…正直に申しまして、慣れていないと体力を削られる剛性だなと感じてしまったところもあります。 クロモリロードバイクにここまでのレース性を求める方がどれほどいらっしゃるのか…試乗した多くの方がその固い乗り味に非常に驚かれていました。 逆にクロモリのしなやかさやバネ感を柔らかすぎると感じる方にはこの固さが好評でした。 従来のクロモリと思っているとその違いに良くも悪くも驚かされる乗り味でした。  

 

ORCD04

こちらは最近よく見かけるようになってきましたディスクブレーキを搭載したモデルのORCD04です。

キャリパーブレーキと違いブレーキング時にかかる力をしっかり受け止めるためか、こちらも従来のクロモリに比べるとしっかりした乗り味となっていました。 しかしタンゲ製プレステージチューブのお陰かしっかりとクロモリらしさの乗り味はあります。 しなやかに踏み込んだ力をバネのように溜め込み、フレーム全体で前へ進んでいく独特の乗り味です。

当然路面からの衝撃もフレーム全体でいなしてくれて、ロングライドであっても疲れを感じにくい優しさを感じました。 Panasonicとしてもこちらのモデルはエンデュランスロードを目指して作っていますので、フレーム全体のバランスや素材のクロモリの特性をしっかり活かしているのでしょう。 またロングライドだけでなく28Cサイズのタイヤまで装着できるので、荒れた路面を楽しむグラベル系のサイクリングスタイルにもマッチするでしょう。 そういう時にはなおさらこのクロモリ独特の乗り味が味方になってくれるだろうと思います。

実際に試乗して頂いた方からは疲れにくくてもっと長距離を走ってみたくなったと評判が良かったです。  

クロモリでありながらピュアレーサーを目指した一台と、クロモリの特性を活かしてエンデュランスロードを目指した一台。 乗り比べる事で更に違いが露わになって非常に面白く思いました。 最近の主流となっていますアルミやカーボンとは違う、そのしなやかでバネ感のある伸びやかな乗り味は独特であり唯一無二であると再確認できました。

細身のチューブで形作られるクラシカルなデザインと共に、末永く自転車生活の相棒となってくれる一台となる事でしょう。  

今回開催させていただいています試乗会の期間ですが、もう暫くはPanasonic様のご厚意により開催できると思われます。 梅雨の時期になってしまい乗るのに良い天気の日が少ないですが、興味がある方の試乗をお待ちしております。 スタッフにお声掛けいただければ随時対応させていただきます。