今話題のタイヤについて、あれこれ その2

ではその1よりの続きとなります、遂にチューブレスタイヤへの交換の最難関と言われる事が多い取り付け作業となります。

よく耳にします話としまして「ホイールへタイヤをはめる際に固くてはまらない」や「タイヤをはめた後で空気を入れてみてもビードがなかなか上がってこない」といった内容でしょうか。

チューブレスタイヤに限った話ではないのですが、ホイールへの取り付け作業には幾つかコツがありますのでそれを守って作業を行えばスムーズに出来る事が殆どです。

但し、稀に何をどうやってもスムーズにいかない場合もあります…

それでは、実際にスタッフが行った作業をご紹介いたします。

 

前回の記事で使っていたタイヤを外すところまで行いました。

ここでリムの内側をなるだけ綺麗に掃除しておきます。

シールタイプのリムテープを使われていますと糊が残ってしまう場合があったり、そうでなくても汚れがあったりしますとタイヤのビード上げの邪魔になってしまったり気密を保てなくなってエア抜けが早まったりします。

清掃後、しっかりリム面に密着させるようにチューブレス用リムテープを貼り付けていきます。

バルブホールを中心に最低でも100mmはリムテープが重なるように、貼り始めと貼り終わりを調整してリムに一周貼り付けていきます。

なるだけ空気を噛んで凸凹になったりしない様に、多少引っ張りながら貼り付けていくのが良いと思います。

また貼り付け終わった後で指の腹等でしっかり押し付けながら一周して、念には念を入れておきましょう。

リムテープの幅に関してですがメーカーからの指定があれば当然それを選んでいただき、指定が無いのであればリムの内側の幅をノギス等で測りましてその幅より2mm程広いリムテープを選んでいただけばリムの内側に丁度良く嵌まるかと思います。

 

リムテープを貼り付け終わりましたらバルブホールに当たる箇所に穴を開けてチューブレス用バルブをセットします。

チューブレス用バルブの台座部分のゴムをしっかりとリムの奥まで入れて、バルブの根元からエア抜けを起こさない様に注意します。

バルブの台座のゴムの形が円錐状になっている物とかまぼこ型になっている物があります、リム中央の溝のような凹みの幅に合わせてどちらを使うか選んでください。

円錐状の方は狭くなっているリムに使う際に、かまぼこ型の方は広くとられたリムに使う際に選んでもらうと上手くいきやすいと思います。

バルブをセットし終わりましたら、リムの内側へ全周に渡って石鹸水(少量の食器用中性洗剤を水に溶かしてスプレーボトルに入れて準備しておくと楽だと思います)をたっぷり塗って下さい。

これは特に大変と言われる空気を入れてビードを上げる作業の際にビートの滑りを良くして作業効率を良くすると共に、エア漏れが起こってしまった際に何処から漏れているかを分かりやすくしてくれる効果があります。

 

次にタイヤをホイールへはめ込んでいきます。

はめ込んでいく時にタイヤのローテーション(回転方向)の向きには必ず注意してください。

タイヤの溝が有るモデルは殆どで、溝が無いモデルであっても取り付ける向きが決まっている場合がありますので、タイヤ側面のローテーションの向きを示す矢印等の表示の確認をしましょう。

逆向きに装着してしまうとメーカー側が考える性能を100%引き出す事が出来なくなりますので、非常に勿体無い事をしてしまう訳です。

またはめ込んでいく際にはバルブの逆側より左右均等にはめ込んでいき、バルブ付近の箇所が最後になるように作業していくのをお勧めします。

その際にはリムにはめ込んたタイヤのビート部分をリム中央の溝となった箇所へ落とし込むようにすると、タイヤに余裕が出てはまり易くなるかと思います。

最初にはめ込むビートの方はあまり意識しなくても溝に落とし込むのは難しくないですが、後からはめ込む方は最初に入れたビートの下側に潜り込ませるようにタイヤをこじったりしてしっかり落とし込むのがコツです。

そうしながらはめ込んでいけば、最後まではめ込むのに苦労する事は少ないかと思います。

どうしてもはまらない場合はチューブレスタイヤ用のタイヤレバーを使ってみて下さい、当店取り扱いメーカーではiRCやSCHWALBEの製品が購入できます。

通常のタイヤレバーでは気密を保つ為に作られているチューブレスタイヤのビート部分や内側(インナーエアシール層)を特に傷つけやすく、エア漏れの原因となってしまう事がありますので使わないようにして下さい。

 

タイヤのはめ込みが終わりましたら、空気を入れてビートを上げていきます。

ここまでの作業をしっかり行っていれば、手動のポンプを使って空気を入れてビートを上げようとしてもスムーズに上がる筈です。

ビートが上がらない時にはホイールとタイヤの隙間へ石鹸水を吹きかけて、ビートが引っかかってしまわない様に滑りを良くしてみます。

石鹸水を塗っていると空気が漏れている箇所からは分かりやすく泡が噴き出てくると思いますので、空気漏れを防ぐ為に手で押さえつけたりその箇所のタイヤを指でつまんでみたりするのが行いやすくなるでしょう。

また空気を入れる際にタイヤの規定空気圧の最大値迄入れてみて下さい、流石に最大値以上に入れてしまうのはお勧めできませんが空気圧の力をビート上げに利用するわけです。

普通の手動ポンプを使うのは大変だと思いますのでパンク修理時に使っている方もいらっしゃるでしょうCO2インフレーターや、TOPEAKやSCHWALBE等のメーカーより空気を溜めて一気に放出できる機能をもったポンプやエアータンクが販売されていますのでそういったポンプを使うと楽になると思います。

 

ビートが上がりましたら空気を抜き(一気に抜くと折角上げたビートが外れてしまう場合がありますので注意してください)バルブコアを外してシーラント剤をタイヤを注入します。

タイヤ一本当たりに必要なラテックス系シーラントの量はロードバイク向けのタイヤで700×28Cまでは30mlを、700×32C以上の幅で45ml、マウンテンバイク向けのタイヤで60mlが目安になります。

当たり前ですがメーカーの指定する量が記載されてあるならそれに従うべきです。

注入しましたらバルブコアを戻し空気を少し入れ直してから、シーラントがタイヤの内側全体に行き渡る様にタイヤを振ったり回したりしていきます。

これによりチューブレスレディタイヤの隙間を埋めてエア漏れを防ぐと共に、乗り始めてからのパンクを防止してくれる事でしょう。

 

最後に適正な空気圧までエアを補充して終了となります。

いきなり車体にセットして乗りに行っても良いですが、一晩程時間を置いて最後のエア漏れのチェックをした方が良いかと思います。

メーカーによって多少違いますが24時間で1気圧(1bar)、または最初に入れた空気圧の10%位が抜けてしまうのは適正となります。

取り付けた直後は馴染んでいない為か特にエア漏れが激しい場合がありますが、時間が経てば落ち着いてエア漏れが収まっていく事が多いので焦ったり心配しなくても大丈夫だったりします。

また、一般的にチューブレス(レディ)タイヤの場合はクリンチャータイヤより空気圧が低くなるのが特徴となります。

体重68kg程のスタッフの場合で前タイヤは5.74気圧(5.74bar、82psi)と後タイヤは5.95気圧(5.95bar、85psi)が丁度良く感じます。

タイヤや乗る方の乗り味の好みや体重によって変わってきますので、乗りながら細かく調整して自分にとっての適圧を探っていくべきだと思います。

 

以上が実際に当店でスタッフが行っているチューブレスレディタイヤへの交換作業のご紹介となります。

併せてチューブレスレディタイヤへの交換作業時のコツであったり気を付けるべき事であったり、その他諸々気が付いた事なども書き添えております。

話題があちらこちらに飛んでしまっている上にまとまりのない文章となってしまい、非常に読みにくいものとなってしまい申し訳ありません。

この覚書が読んでいただいた方への指針に少しでもなれていれば幸いです、ありがとうございました。